スマートホームや音声操作というと、「便利になるかどうか」を想像する人が多いかもしれません。
わが家でも、最初はその程度の興味から始まりました。
賃貸で試し、新築でやり直す中で感じたのは、
スマートホームは何かを“足す”仕組みではなく、
生活から「操作」を減らしていく方法なのかもしれない、ということでした。
この記事では、IKEAのスマート照明とAlexaを中心に、
賃貸での違和感と新築での設計、
そして実際に住んでみて起きた感覚の変化を、そのまま書いています。
導入|スマート照明と音声操作を使い始めたきっかけ

これまでの、スイッチを押して電気をつける生活に、特別な不満があったわけではありません。
家の電気はスイッチを押せば点くし、それで困ったこともありませんでした。
そもそも、導入する前は「便利そうだな」くらいの感覚で、生活を変えたいとか、何かを改善したいという強い動機があったわけでもなかったと思います。
きっかけはとても単純で、
「音声操作って、実際どうなんだろう?」
という、ただの興味でした。
最初にスマートホームを取り入れたのは、新築ではなく賃貸の頃です。
照明やロボット掃除機、SwitchBotを使った物理スイッチの操作など、できる範囲で少しずつ試していました。
その中で、「便利になった」というよりも、
気づいたら“操作そのもの”をしなくなっていた、という感覚のほうが近かった気がします。
新築の家づくりで考えたのは、
まったく新しいことを始めることではありませんでした。
賃貸で試してきたスマートホームを、
自分たちの暮らしにとって一番ストレスの少ない形にブラッシュアップすること。
照明はIKEAで揃え、Alexaを中心に音声操作で完結する構成にしました。
通信で直接制御できる仕組みにしたのは、
賃貸時代にSwitchBotの“物理的に押す操作”で、スイッチのパネルが剥がれたり、位置がズレたりした経験があったからです。
「アレクサ、おやすみ」と声をかけるだけで、
家中の電気が一斉に消える。
電気を消し忘れていないか確認する必要もありません。
不思議なのは、
スイッチを押すことを、以前はストレスだと思ったことがなかったのに、
この生活に慣れてからは、
実家などでスイッチを探して歩くことに、はっきりと“煩わしさ”を感じるようになったことです。
スマートホームは、便利にするための仕組みではない。
「何も考えなくていい状態」をつくるための方法論なんだと、今は感じています。
この感覚は、照明だけの話ではありません。
賃貸時代から使っているロボット掃除機も、
今も変わらず稼働しています。
賃貸で感じたスマートホームの限界。なぜ新築でやり直したのか

賃貸でスマートホームを使い続ける中で、
「便利ではあるけれど、どこか引っかかる」
そんな違和感が少しずつ溜まっていきました。
一番分かりやすかったのは、物理スイッチを動かす方式の限界です。
SwitchBotの指ロボットで照明スイッチを押す仕組みは、
音声操作を試すという意味では、とても分かりやすい入口でした。
ただ、使い続けると現実的な問題が見えてきます。
- 照明のボタンカバーが外れてしまい、押せなくなる
- わずかではなく、はっきり分かるタイムラグがある
- 電池交換が地味に面倒
赤外線操作と比べても遅く、
「声をかけてから反応するまでの“間”」は確実に感じました。
一方で、赤外線で操作していた家電――
テレビやエアコンは比較的安定していて、実用上は問題ありませんでした。
- つける
- 消す
- チャンネルを変える
生活としては十分です。
ただ、ここも後から気づいたことですが、
新築のタイミングでAlexa対応の家電を使い始めたとき、
体験の質がまったく変わりました。
反応の速さや確実さ自体は大きく変わらなくても、
できることの幅が一気に広がった感覚があります。
「テレビつけて」だけでなく、
「Netflixつけて」「YouTubeにして」といった操作が、
意識せず自然にできるようになる。
これは、赤外線操作では得られなかった体験でした。
もう一つ、賃貸で使い続ける中で気になってきたのが、アプリの煩雑さです。
当時の構成は、
- 指ロボットで動かす照明 → SwitchBotアプリ
- スマート電球の照明 → IKEAアプリ
- テレビ・エアコン 赤外線で動かす照明 → Nature Remoアプリ
という状態でした。
特に照明に関しては、
IKEAの体験が頭ひとつ抜けて良かったのを覚えています。
- 操作がとにかく速い
- 通信が安定している
- UIが分かりやすい
SwitchBotは製品群が多い分、アプリが煩雑になりがちですが、
これは性質上仕方ない部分でもあります。
一方、当時のIKEAはほぼ照明に特化していたため、
迷いなく操作できる設計になっていました。
さらに、
- 電球や照明本体の価格が手頃
- デザイン性の高い光源が多い
という点も、使っていて大きな魅力でした。
その後、アプリの分断が気になり始め、
テレビとエアコンを操作していたNature Remoは手放しました。
できることが限られていたこともあり、
最終的にはSwitchBotで代替できる構成に寄せていきます。
ただ、ここまで試してみて分かったのは、
- 物理スイッチを後付けで動かす方法には限界がある
- 照明は「通信で直接制御する」方が圧倒的に気持ちいい
ということでした。
だから新築では、考え方を変えました。
- 指ロボットを前提にしない
- 照明はすべて通信制御
- スイッチは「あるけど基本触らない」設計
- SwitchBotは照明以外で使う
賃貸での試行錯誤があったからこそ、
新築では「便利そうだから使う」ではなく、
気持ちよく使い続けられるかを軸に、構成を組み直すことができました。
新築でIKEAのスマート照明を中心にしたら「操作」が消えた

新築にしてから、
照明はIKEAのスマート電球を中心にした構成にしました。
物理スイッチはありますが、基本は触りません。
照明はすべて通信で制御し、操作は音声が前提です。
この生活にしてから、
家の中で「照明を操作している」という感覚が、ほとんどなくなりました。
声をかけると、
照明がそのまま点く。
それだけです。
待たされる感じも、
裏で何かが頑張って動いている感じもありません。
「操作した」というより、
家の状態が切り替わった、という感覚に近いです。
この違いは、使っているうちにじわじわ効いてきます。
特に分かりやすいのが、実家に泊まったとき。
布団に入ってから、
「あ、電気…スイッチか」
と気づく瞬間があります。
昔は当たり前だった動作なのに、
今の生活に慣れると、
スイッチを押すという行為が、ひと手間に感じるようになっていました。
これは、
「音声操作がすごい」という話ではないと思っています。
操作そのものが減っていることが、大きい。
新築では最初から、
照明は通信制御、
音声操作が後付けにならないように設計しました。
その結果、
照明に対して「どう操作するか」を考える場面が、
ほとんどなくなりました。
IKEAスマートホーム × Alexa|わが家の考え方と全体構成
わが家のスマートホームは、
IKEAの照明を中心に設計しています。
音声操作にはAmazon Alexaを使っていますが、
やっていること自体はとてもシンプルです。
照明は「スイッチで操作しない」を前提にする
新築では、照明をすべてIKEAのスマート照明で統一しました。
物理スイッチはありますが、基本は常にオンのままです。
照明の操作は、
- 音声
- 時間
- シーン(おはよう/ただいま/おやすみ)
で行います。
こうすると、
電気をつけるための動きが、生活の中から消えていきます。
IKEAの照明を中心にした理由

システムの核となる「DIRIGERA」の実力
この仕組みを支えているのが、IKEAのスマートホームハブ「DIRIGERA(ディリゲラ)」です。
正直、導入前は「たった1つのハブで家中の通信を賄えるのか?」という不安もありました。
わが家は木造2階建て(敷地135㎡、延床面積81㎡)で、制御している電球の数は全部で50個近くになります。
ですが、実際に住み始めてから、接続が切れたり、操作ができなくなったりしたことは一度もありません。
1階の端に置いたハブから、2階の寝室の電球まで、問題なくネットワークが届いています。
IKEAの照明(Zigbee通信)はハブが一括して管理してくれるため、家のWi-Fiに負担をかけない点も、この安定感につながっているのだと思います。
- 反応が速い
- 通信が安定している
- 操作に迷いがない
- アプリのUIが分かりやすい
音声で操作した瞬間に、
迷いなく、同時に、複数の照明が切り替わる。
この一体感は、
物理スイッチ操作では得られませんでした。
わが家では、
IKEAのスマート照明を使っていますが、
LED電球「トロードフリ」には、
白熱灯に近い印象の光源もあります。
照明の明るさや配置については、
最初から「正解」を狙ったわけではありません。
そのあたりの話は、
別の記事でまとめています。
音声操作住宅の作り方|照明の呼び方と区切り方


この家で音声操作を使うにあたって、
最初に考えたのは、設定そのものよりも、
場所をどう呼ぶかでした。
このライトは、
リビングのライトなのか。
どこまでが廊下のライトなのか。
自分たちの感覚と、
呼び方をまず一致させるところから始めました。
「電気」という言葉は、
Alexaの中では照明だけでなく、
電気機器全体を指す大きな言葉になります。
たとえば「リビングの電気消して」とAlexaに伝えるとテレビも消えることに。
そのため、照明については
「ライト」や「照明」と呼ぶようにしています。
1階、2階といった階層のくくりは、Alexa側でグループ化します。
リビング、廊下、寝室といった生活の中で意識している場所の粒度は、
IKEA Home側で定義します。
どこまでを一つとして扱うか。
その感覚を、設定の中でそのまま写し取る。
照明の音声操作では、
この整理が一番大事だったと感じています。
実際どう?住んでみた感想
朝は、「アレクサ、おはよう」と声をかけます。
照明がついて、シャッターが開き、
今日の天気とゴミ出しの情報、電車の運行状況を伝えてくれます。
外出するときは、「アレクサ、行ってきます」
照明が消えて、シャッターが閉まります。
帰宅したら、「アレクサ、ただいま」
照明がつきます。
「アレクサ、リラックスモード」と言えば、
リラックスできる音楽が流れて、照明が少し暗くなります。
23時になると、
睡眠を促すために照明が自動で暗くなります。
日常的な照明操作については、
グループ設定をきちんと作っておけば、
特別な言い方をしなくても済みます。
廊下が暗ければ、「廊下の明かりつけて」
間接照明が暗ければ、「間接照明、明るくして」
こうした流れは、
特別なことではなくなっています。
「使おう」と思って使っている、というより、
生活の流れの中で、そのまま動いている。
今は、その状態が続いています。
スマートホームを勧めたい人/勧めない人
スマートホームは、
誰にとっても同じ価値があるものではないと思っています。
家の中で、
何かを操作すること自体を減らしたい人。
毎日の流れの中で、
小さな判断や確認を少なくしたい人。
そういう感覚を持っている場合は、
合う部分があるかもしれません。
一方で、
自分の手で操作する感覚を大事にしたい人や、
細かく調整しながら使いたい人には、
合わない場面もありそうです。
全部を一度に変える必要はありません。
照明だけ、
朝と夜だけ、
生活の一部だけ切り出す、というやり方もあります。
わが家では、
スマートホームは「便利にするための仕組み」というより、
何も考えなくていい状態をつくるための方法として使っています。
それが合っているかどうかは、
使う人や暮らし方次第。
今は、そう感じています。

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