照明担当の「暗すぎます」を無視して正解だった。KINAとIKEAで作る、わが家の『陰影礼賛』

照明

注文住宅の打ち合わせで必ずと言っていいほどぶつかるのが「照明の明るさ」問題です。ハウスメーカーの提案通りにダウンライトを並べれば、確かに失敗はありません。でも、それは本当にあなたが求めている「帰りたくなる家」の光でしょうか?

私は、プロが提示する「JIS規格」という正論を押し切り、一目惚れした一つの照明を主役にするために、家全体の照明計画を逆算して作りました。その結果、1年経った今でも夜が来るのが楽しみで仕方ない、理想の空間を手に入れることができました。

わが家の主役、KINAが作り出す幻想的な夜の空間

今回は、安価なIKEAのスマート照明と、最高に美しいデザイナーズ照明「KINA」を組み合わせ、プロをも唸らせたわが家の照明術を全公開します。


1. なぜ「建築照明」ではなく「IKEA」だったのか?

間接照明を検討し始めた時、最初につきあたったのは「価格の壁」でした。本格的な建築用照明を1箇所入れるだけで、相場は10万〜30万円。しかし、私が悩んだのは金額以上に「スマートホーム化への拡張性」でした。

一般的な建築用照明で間接照明を作る場合、明るさを変えるには壁に専用の「物理的な調光スイッチ」を付けるのが基本です。これらを後付けでスマート化しようとすれば、SwitchBotの指ロボットでスイッチを押すか、スマートプラグで電源の根元を制御するしかありません。

しかし、この方法ではON/OFFはできても、肝心の「調光」は結局自分でスイッチを回しに行かなければならないのです。これでは本当の意味でのスマート化とは言えません。

さらに、指ロボットは電池交換の手間があるだけでなく、設置するとスイッチカバーが浮いてしまいます。その結果、見た目が悪くなるばかりか、指ロボット自体が空振りして押せなくなるという致命的なデメリットもありました。また、プラグによる制御は故障のリスクや発熱の不安も拭えません。

そこで辿り着いたのがIKEAのスマート照明です。

「照明は最初から通信機能を持った無線規格(Zigbee)で統一し、アプリの役割を分けたほうが管理しやすい」という確信のもと、アレクサとの連携がスムーズで、声だけでON/OFFから調光まで完結できるIKEAのシステムを採用することに決めたのです。


2. 執念で見つけた「MITTLED(ミッドレド)」への道のり

私が照明選びで絶対に譲れなかったのは「LEDの粒感(ドット感)を見せないこと」です。

当初はIKEAの「ミールヴァルヴ」を予定していましたが、なんと入居3ヶ月前に廃盤という絶望的な状況に。

そんな中、店舗のキッチンコーナーで見つけたのが**「MITTLED(ミッドレド)」**でした。

キッチン用のMITTLED。乳白色のカバーのおかげで光が均一に広がる

本来はキッチン用ですが、ドット感のない均一で美しいライン状の光、40/60/80cmという豊富なサイズ展開。まさに間接照明の光源として完璧なスペックでした。「キッチン用をリビングに流用する」という発想の転換が、わが家の窮地を救ってくれたのです。


3. すべては「KINA」への一目惚れから始まった

わが家の照明計画には「主役」がいます。ニュージーランドのデザイナー、デビッド・トゥルブリッジの**「KINA(キナ)」**です。

ウニをモチーフとしたKINA。独自の幾何学模様が美しい。

照明専門店で出会ったその直径800mmの竹製照明は、光を灯した瞬間に、周囲に幻想的な幾何学模様の影を放ちました。「この影を吹き抜けの壁いっぱいに映したい」。この一目惚れが、すべての設計の起点となりました。

影を主役にするためには、余計な光はいりません。まかろにおさんの動画で学んだ「陰影礼賛」の世界観を信じ、天井にダウンライトを極力入れない設計を強行しました。照明担当者には「JIS規格以下の明るさで、生活に支障が出る」と何度も止められましたが、自分の直感を信じました。

結果として、完成した空間はプロの担当者すら「お客様への提案用イメージとして写真を使わせてほしい」と驚くほどの美しさになりました。


4. 【公開】美しすぎる影を作る「設置のテクニック」

KINAの影とノイズのない光を実現するために、私が実際に行った5つの設計指示を公開します。

  • ドライバーを「隠匿」するための隠し溝IKEAの「トロードフリ・ドライバー(28.5×5.5×1.8cm)」が完璧に収まり、視界に入らない専用の隠し溝を造作しました。
  • 間接照明のための「コの字」垂れ壁MITTLEDを置くための専用のコの字造作。光源が直接目に入らず、壁を滑らかに照らす深さを指定。
  • コンセントと「物理スイッチ」の連動設定スマート照明のリセットやペアリング時、電源のON/OFF操作が必要になります。コンセントを抜き差ししなくて済むよう、壁の物理スイッチと連動させメンテナンス性を確保しました。
  • 壁紙は「光の反射率」で選ぶ影を美しく出すキャンバスとして、反射効率の良い明るめの壁紙を選定。光が滑らかに伝わり、影をより鮮明にします。
  • キャンバスに「不要な穴」を開けない影を投影するメインの壁面・天井には、ダウンライトはもちろん、換気口なども極力配置しないよう計算しました。

まとめ

一生に一度の家づくり。プロの意見は大切ですが、最後にそこに住むのはあなた自身です。

もし私がプロの言う通りにダウンライトを増やしていたら、この美しい影はかき消されていたでしょう。

こだわりを形にするためには、徹底したリサーチと、少しの勇気が必要です。わが家の事例が、自分らしい家づくりを目指す誰かのヒントになれば幸いです。


今回紹介したアイテム

  • KINA(David Trubridge)
  • IKEA MITTLED(各サイズ)
  • IKEA トロードフリ・ドライバー
  • Amazon Echoシリーズ

Amazonや各ショップへのリンクは、現在準備中です


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